鳥沼・生き物調査隊 取材日 2014年3月8日(土)
取材地 富良野市生涯学習センター
  自然に興味を持つきっかけに  

 富良野市生涯学習センターは、2012年度から自然観察会「鳥沼・生き物調査隊」を実施しています。担当は、ふらびズムpeopleにご登場の学芸員 泉団さんです。その内容、実施の意図、担当者としての思いを取材しました。

このちょっと変わった自然観察会は、鳥沼公園の生き物を自分たちで調べることを通じて、「身近な自然の存在を知り、より自然に親しんでもらう」、「その貴重な自然をこれからも保全していく方法を探る」ことを目的としているそうです。

 この年の2月に実施した観察会では、雪に覆われた鳥沼公園をスノーシューで歩きながら、樹木の調査をしました。一本一本の木について、種類を確かめながら太さを測ったそうです。他にも、「初めの年は草花の種類や花の咲く時期を調べたり、ネズミなどの小動物を捕獲してどんな種類がいるのかを調べましたね。昨年の夏は土の中の小さな生き物や、水の中の生き物を調べました。他にもセミの抜け殻しらべとか昆虫とか、いろいろやっています。」と、泉さんは振り返ります。

 それらの活動から、鳥沼公園の自然環境が今どんな状況にあるのか、課題も見えてきたそうです。「まずは自然を楽しむということで先入観を持たずにやっているのですが、やはり外来種の問題を意識することが多かったです。」木の調査をしたとき、ハリエンジュ(ニセアカシア)と言うアメリカ原産のマメ科の木が多いことに驚かされたり、草ではオオハンゴンソウというキク科の外来植物の繁茂が一目瞭然だとのことでした。また鳥沼公園は「もともと湿地林で水の多い環境であるのに、散策路を広げたなどの影響か、以前より乾燥した森になっている」と、外来種の侵入や人間の活動で、本来の鳥沼公園の環境が変わりかけていることに強い危機感を持っている様子でした。

 活動の背景にある思いをおたずねすると、「富良野は自然が豊かな場所が広がっています。この地の利を生かし、自然に関心を持つ子どもたちを掘り起こしたいです」と、調査活動を通じて、子どもたちが自然に興味を持ち、それをより伸ばす手伝いをしたいとのことでした。

 この調査隊は、市民はもちろんのこと、地元住民ではなくても参加できます。「ご興味のあるかたは、富良野市学習センターにお電話を」と泉さんはおっしゃっていました。

ふらびズムpeople 泉団さん 取材日 2014年3月8日(土)
取材地 富良野市生涯学習センター
冬のファーム富田 取材日 2014年2月28日(金)
取材地 空知郡中富良野町